4月第4週号 経営で一番大切で、重要なことは人材育成です。


#114 キャリア開発・Evident Based Coaching

  • 新規企業Venture Businessの人材確保、育成
  • 社長後継者育成、承継を推し進める経営

人材を確保するだけでなく、その人材をさらに良くするために、育てることが重要なのです。リーダーは、良い経営をするためになくてはならない有能な人材を、集め育成をしなくてはなりません。

キャリア開発・Evident based coaching

近年デフレスパイラルの中で企業経営をしてきたため、中間管理職の教育がされておらず、今は真のトップリーダーという人がいません。優秀なマネージャー、リーダーはすぐにでも欲しいが、社内を見ても教育をしっかりとしてこなかったために、ここにきて必要なマネジメント/リーダー教育を付け焼刃でしても、期待するマネージャー、リーダーは一朝一夕でできるものではないのです。今まで人材育成にコストをかけてこなかった怠惰(Negligence)の付けがここに出てきているのです。

求めている人材像を明確に持ち、エグゼクティブレベルになるまで発達段階的に成長させるのがリーダーです。次世代の人材を育成できるリーダーこそが本当のリーダーです。

それは良い監督が本当に良いコーチ人材を育てることが出来るか、という質問と同じです。あるいは、良いスポーツプレーヤーがよいコーチになれるのかというのと同じで、なかなかそううまくはいきません。やはり餅は餅屋です。
自分の気持ちを持ち上げて集中していくのと、他人の気持ちを集中させるのは全く違うスキルです。

人材育成を何代にもわたって出来れば最も難しい仕事を50%成し遂げたのと同じです。
その人の能力が上がれば自信がつき、さらに人のできないことへの挑戦が出来るようになり、結果として会社が良くなる方向に進むのです。

人材の中途採用がしっかりとできればあなたはもっと難しい仕事に集中、挑戦することが出きるようになります。
その際にはこちらからその人材を動機づけるのではなく、自分から進んで権限と責任を自覚してコミットしていく挑戦型の人材をけん引するエネルギーが必要なのです。
自分が本当に集中できる価値観を自分で見つけることが出来れば残りの50%は余裕となって表れてきます。

経営者にとって従業員一人にかかるコストはその人の年収の3倍です。


日本企業のマネージャークラス以上の中途採用のマッチングは採用の経験が短いために求めている人材ニーズと実際のスキル、能力が合う比率は低いのが現状です。ただし、マネージャー以下の作業スキルに関しては全く問題ありません。このクラスの人材は明確なスキル、人間関係(他の人とうまくやっていける性格か)、情緒的に安定しているか、会社の文化に適用できるか、言っていることが信用でき、健康であれば教えることができるからです。でもマネージャー以上は全く別です。

欧米企業の中途採用は歴史も長く、採用のタレントエキスパートが追跡調査などで事前に時間をかけてしっかりチェックしています。足りない部分は何かをもきちんと明示してありますし、その能力に関しても非常に明確です。何しろ結果を求められるのですからそんなに曖昧で感覚的なスキル表示では企業は信用しませんし、信用する方がいけません。

私たちもたびたび大手企業からこの人材が本当にリーダー、部長、役員、社長に向くのか、もし足りないところがあるとしたら何が必要か、そしてそれを十分に補う別のものがあるかどうかのチェックを頼まれます。

日本企業の場合は社長が新しい部長、役員、社長を外から雇い、切り替えることをしたがらないので人材のマッチングはうまくいっていません。
それと企業が支払うエージェントへの金額が合わない、または採用する側と受ける側との要求事項のランク、コンセプトが合わない場合が多いのです。

外資系の中途採用のマッチングと何が違うかわかっていますか。

この場合の両者の採用の差を知らないと大きな間違いが生じます。人の採用はそんなに簡単ではないのです。

採用する方もですが、採用される方がまた本当の自分を知らないのです。最初はほとんどがエージェントに指示されて書いたProfile, Specification, Qualificationに惑わされるのです。
自分の現在と未来の資質を客観的に書かずに、現在の能力を誇張したり、悪いところをあえて書かずに隠したりするのです。

次に文章表現です。売り込むほうは良い人材であることをアピールし早く契約をとりたい、売り込まれる方は本当に人材が足りずに、喉から手が出るほど人材が欲しいのでその文章表現/言葉にのせられてしまうのです。

日本の企業は中途採用に慣れていないため、中途採用候補者の本質を見抜けないのです。


又売り込む方も権利の主張が強く、これらを外部で教えている人/団体がいるので入ってからも大変です。採用してからケミストリーが合わなかったり、自分の権利ばかり主張して、自分が何のために入ったかを忘れている人が本当に多いです。会社はその人の趣味、主張を取り入れるために採用したのではなく、会社が必要としているスキルを求めているのです。これはエージェントのせいでもあるし、本人の未来への真実性がないこと、人生のキャリアとは何かを知らないことが原因の事が多いです。

日本の採用される側の権利は異常に保護されている状況です。
でもこれらも40歳の初めまででそれ以降、50歳頃からは採用する方も注意をしています。採用される方は相変わらず自己中心的です。

日本の人材の流動性はとても多くなりましたが、そのほとんどが大手からの会社理由による流失で、本当のスキルを探す対象の人材ではありません。

中途採用の90%は実質な失敗に終わります。最終には合わせるしかないのです。
どうしてか。派遣以外の人は転職の意味が分かっていないのです。
本来ならば自分の人生の在り方、50歳を過ぎてからの人生のキャリアをしっかりと考えて転職を考えるべきですが、どこの会社もそのようなことを教えていないだけでなく、本人も勉強していないのです。真剣にサポートしてくれるコーチを今まで求めてこなかったのです。日本では、人生の在り方、人生のキャリアなどを考えるのはその人が自分だけで考えていたからです。

自分が出来ると思っているが、その基準がない、派遣と外資系企業の採用基準は全く違うことを今頃になって教えられています。


海外の正社員の採用はそのほとんどが契約社員と同じです。
必要か必要でないか。
会社の未来は社員が作るものであって、会社は未来を与えてくれるものではないと言う事を採用される人が知っているのです。

これらをもっとオープンに話せる環境が必要です。本当のコーチが必要なのです。
本当のメンターも必要なのです。
勉強も必要ですが、単に資格を取ってもしょうがないのです。
実際に「自分は何が出来るのか」という現在時点の自分の位置、スキル、能力、資質を本当に教えてくれる人が必要なのです。自分は何が得意で何が足りないか、そのために何をしなければならないか、自分自身が未来の目的とゴール、そして現状とのギャップを知らなくて誰が採用してくれると思いますか。
世の中は個人情報の開示をしなくてもデータベースの分析ができるようになってきています。その時になって悲鳴を上げるのではなく今からでも遅くありません。自分の未来に対して何が必要で、何が足りないかを自問自答し、さらにいろいろな人に相談することをお勧めします。

あなた自身はどうですか。今までの成功、失敗、これからの目標とゴール、そしてそのギャップをどのように自分に言い聞かせていますか。

そのギャップ、もし自分が幸せあるいは将来の成功を求めて仕事をし、生きてきたのならば、そんなに人生は甘くないという事、そして勉強は一生必要だという事を考えてください。
世界がグローバル化し、今まで以上に進歩が速いのです。今止まっていてはどんどんと遅れていくどころか時代に置いていかれてしまいます。

私も真剣です、皆さんも自分のTurning Point(Transitional point)はどこにあるか、考えてください。一般には45歳から55歳での間です。長とこのころに自分の将来を何に求めているのかが今までの経験から判ってくるのです。 それ以前ではまた夢の前段階、それ以降になると目的達成をするためのゴールが小さくなってしまうか、
ゴールへの道のりが激しくなってしまいます。
全ては本人次第ですからそれが良い、良くないは自分の器の大きさが判ってからでは遅いのに気が付きます。

でも知識は年齢に関係なく研ぎ澄まされていきます。逆に肉体は衰えていきますのでそのマージナルポイントがこの年代なのです。
ではそのためにあなたの未来の目的は何ですか。
70歳以上になって何もしないでいたいですか、
それとも30歳代くらいの勢いをもって人生を過ごす夢を持っていますか。

人生とは、いつになっても素晴らしいものです。毎日が未来への挑戦なのですから。
今からでも遅くありませんし、早すぎもしません。
本当の幸せの時は今から始まるのです。
今の自分が本当の自分でこれから先は全て自分の努力とそれを維持するメンタルにかかっているのです。
いつまでも若くていましょう。(Stay young)
そのために大きな夢をもって追いかけましょう。
さあ考えましょう。

ご意見ください。

杉井要一郎 / 2016年4月第4週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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