10月第2週号 アメーバ・エネルギー組織 現代的グローバル組織

#85 グローバル経営・コーチング

メンバー・パートナー制とグローバル・メンバー制

会員とスポットメンバーのあり方・考え方がこれからの組織作りにはとても大切であることをご存知ですか。これからはますます必要な時に必要な人材をメンバーから募るようになります。人材の教育もWeb/Internetを通して行うとコストがかからず、地球のあらゆる場所で同時にできるというように、プロセスもダイバーシティーが進んできています。(グローバル経営・コーチング)

B2BからB2Pへ。昔は組織と会社でつながっていたのが今では会社と個人がグローバルにつながるようになってきています。この大きな潮流をグローバル・メンバー制と呼びましょう。このグローバル・メンバー制のもとでは時間や場所を選ばず、必要な人を必要な時に必要なだけ揃えられるタレントマネジメント能力が大切です。

特に多様化した業界でのグローバル人材育成は一度雇ったらすぐに必要なくなっても雇い続け、固定費が膨らみ大変です。雇うほうも雇われるほうもお互いメリット、デメリットが多くなるので、自由に働けなくなります。そのため変動費というかたちで人材を経費にした方が多少高くても後々まで固定費にならないのでよいのです。

又、個人で特殊性を出していく人にとっては、自分の会社が自由にクライアントとの結びつきを持っている方がグローバル社会において広い意味での多くのチャンスと流動的な価値観を生むことができるからです。もうこの時代になったら秘密も何もありません。
例えて言うと、クレジットカードと同じです。ほとんどの決済にカードがどこででも使えると言う意味と同じクレジットカード・メンバー制です。

シニアマネージャーにとっては今まで蓄積してきたスキル、ノウハウを知らない会社に提供するチャンスにもなりますし、必要とする企業にとってはそのスキル・ノウハウを有効利用でき、逸材を獲得する一番早い方法です。昔の日本の人材派遣が短期的にグローバル化/Internet化されたと思ってください。ヨーロッパ企業、北米企業からの人材/人材育成の需要に対して、今はシンガポールがその中心となってA.S.E.A.N.中から必要な人材を集めているのです。

これは2015年頃からさらに激しくなりました。LinkedInもそうです。個人で自分を自由に世界中に売り込むことができるようになってきたからです。そのためには売り込む方も英語ができなくてはなりません、それが共通語だからです。またグローバルの契約も出来なければなりません。報酬のあり方もこれまでとは違ってきました。

これらは単に人材の獲得だけではなく、人材の教育にも同じことが言えます。すべてがIoT (Internet of Things)化され、今ではWebiner, Skypeによるグローバル教育も盛んになり、かつてのe-Learningがインタラクティブに誰でもできるようになったからです。最新のグローバル教育、特に営業コーチング、メンタル・トレーニング等は世界中で一番良い物を必要な時に適用できるようになりました。

また世界中の教育機関がオープン講座を持つことにより、全てのプログラムを全世界で共有・受講できるようになったのです。これまでは日本の教育やグローバル化された教育を個別に提供していましたが、日本人が教師となって日本の文化と欧米の文化を同時に習得できるようにその国々に合う教育方式を作り、自由自在に提供することができるようになったのです。

営業マンも地域で必要な教育を受けた人材をマネージャーとして雇い、後は必要な組織構成を組んで、周辺の教育はローカルに任せてコアの人材だけをこのグローバル・メンバー制サイトから採用すればよいのです。その中で新しいハブを持って自由にグループ化すれば更に細分化された課題に対応できるようになっています。

今の日本に大切なことは、新しい売り上げをどのように創造するかです。グローバルな市場においては違う品物ならばなおさら違うセールスが必要になります。でもそれだけの多品種、少量、大量なものを一個人では一度にこなすことができません。ですからネットを通して行うのが一番なのです。IoTの初歩のアプリケーションですね。人材のSCMグローバル化です。

ではこの仕組みはどのようになっているのでしょう。
この分散と集中の両方をバランスよくするシステムが既にあるのです。ダイバシティーと集中・分散方式です。世界中のネットワークをいかに利用するかが皆さんの今後のカギになりますね。それも公に出ていない人物の掘り起しです

ネットワークとデータベース、そしてそのプロセスと全体構築をクラウドSNSが担っているのです。この一見何でもないようなクラウドの中にある一枚のマスターメインボードが全てのカギを握っているのです。どんなにアプリケーションが良くてもこの心臓部ともいえるCPUを駆使できるマスターボードをデザインするエンジニアが全てのガバナンスを担っているのです。したがってその周辺を整理しておかなければ危険です。セキュリティーと独自オープン性、それはそれで餅は餅屋、任せる相手がいるのです。

それら全体をまとめる仲介や、パートナー・アライアンスのシナジー台頭がこれからのビジネスモデルを制するのかもしれません。大型で静的なシステムとグローバルでダイナミック・システムのハイブリッド経営がもう既に大きなうねりとなって地球をそれこそ一つのグローブとして包み込んでいるのです。
でもその中心は人間です。人間の需要があるからこそシステムがありそれがダイナミックに稼働するのです。新しいシステムを次々と導入するためには若い人の頭脳を駆使するのが一番です。

大学の経営学部で3,4年生を教えていて一番楽しいのは最後の生徒の発表と論文を読む時です。

「あらゆるリソースがオープンで無限にあるときに貴方のチームはどのようなグローバルなビジネスモデルを創出しますか?」という課題で2週間考えさせます。調査、チームのフォーメーション全てが学生にとっては新しいものです。奇抜なものができることを期待しています。
その中でも本当に奇抜なアイデア、直感的なシステムを作り出すのは海外から帰国してきた学生です。この無限のリソースを駆使できる学生を未来の視点からリストアップし、将来の企業幹部候補生としてエリート教育できたら日本の企業も素晴らしい発展をするでしょう。彼ら/彼女らは既にいろいろな面で多面的な見方を異文化から習得しているからです。

このグローバル・メンバー制は既にオープン環境で出来上がっていますので、その中から自分らの会社が魅力的で、クライアントにとっても新しい価値観の創造の場になる事が出来れば差別化が出来るでしょう。課題はこれからあなたの会社がこれらのグローバル・メンバー制にどのように対応できるかです。それにはトップリーダーのビジョン、挑戦的なアピールがどうしても必要になります。またマスではないので、トップの個人対応ができる体制が必要になります。それも短時間での決断とお互いが信用できるハブを構築する事が一番大切なPriorityになります。

あなた自身また、会社としてこれらに対応する準備ができているならばすぐにでもGOです。未だできていない場合はどのようにしてプロセス、Executeしたら良いでしょう。これらのプロセスをコーチが教えてくれるのではなくあなた自身が特別な状況で想像できるようにファシリテートして持って行ってくれるのがエグゼクティブコーチです。

出来ましたか。

杉井要一郎 / 2015年10月第2週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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